この日は水道橋でのランチになりました。久しくご無沙汰していた刀削麺をいただきましたが(@XIAO XINGXING 小星星(ショーシンシン))、なかなか美味しい刀削麺で、コスパも良かったので、満足のいくランチタイムを過ごせました。ランチの後は、靖国通り沿いにあるこちらのコーヒー専門店でコーヒータイムを過ごすことにします。当店=珈琲館を運営しているのは、C-United株式会社。今年=令和3年4月にカフェ・ベローチェで知られる株式会社シャノアールと珈琲館の運営主体であった珈琲館株式会社が合併して設立された会社です。珈琲館と言えば、よく利用していたのが横浜の戸塚在住時代(平成14年~平成25年)だったので、UCCグループのカフェというイメージが強いのですが、その源流は独立系チェーンで(珈琲専門店 珈琲館)、創業は昭和45年に遡り、その創業店=1号店が当店ということになります。なので、「専大前本店」ということなんですね。その後、昭和47年に株式会社マナベ珈琲館を設立してフランチャイズ事業に着手。同年に「珈琲館」のフランチャイズの1号店を東京都中央区に開店しました。以降、順調に業容を拡大し、平成11年には珈琲館株式会社に称号変更。UCCグループ入りしたのは、平成20年のことで、翌平成21年にコーヒー専門店「上島珈琲店」などを展開するユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社と統合しますが、平成30年にUCCグループのガバナンスの一環として珈琲館株式会社として分離独立することになります。一旦消滅していた珈琲館株式会社が復活したことになりますが、これは、独立系投資会社であるロングリーチグループからUCCグループのユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社に対して、追加的な資金リソースの投入を含めた具体的な提案(早い話、買収提案)があり、それをユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社が受け入れたものです。ロングリーチグループと言えば、ウェンディーズによるファーストキッチンの買収などでも暗躍した投資ファンドですね。これによりUCCグループとは友好的な関係を保ちつつも、形式的には同グループから離脱して一旦独立系チェーンに戻ったことになり、その後、前記の通り、2021年になって株式会社シャノアールと合併することになるわけですが、この一連の動きの背景には、ロングリーチグループのしたたかな戦略が見え隠れします。現在、C-United株式会社の珈琲館系のブランドは、「珈琲館」のほか、「珈琲館 蔵」と「CAFE DI ESPRESSO珈琲館」の3業態があって、全国に226店舗(令和3年10月末現在。珈琲館206店、蔵7店、CAFE DI ESPRESSO13店)展開しています。ただ、ここ3年ほどの間に店舗数は20店舗ほど減少しており、このスクラップ戦略も企業合併と一体的に行われた可能性が高そうですね。当店の場所は、靖国通りの専大前交差点のすぐ近く。城南信金の隣りのビル(日建ビル)の1階になります。珈琲館のシンボルとも言うべきグリーンの看板が良く目立ちます。この日は、ランチ後の12時10分過ぎくらいの訪店になりました。店内は、中央部分にカウンター席が9席あり、テーブル席は計40席。合計49席のキャパになります。入口で手指消毒をした後は、店員さんが検温してくれ、それをパスすると客席へ案内してくれます。お昼時でしたが、空席が目立ちましたので、店員さんからは好きな席へ座って可と言われました。左手一番奥のテーブル席に着席し、卓上のメニューを眺めます。珈琲館のメニューは大体頭に入っていましたが、やはりここに来たら看板商品のホットケーキはどうしても食べたくなりますね。ランチ後でもあったので、さすがにホットケーキ2枚だと多すぎるので、トラディショナル・ホットケーキ1枚のドリンクセット@890円を注文しました。ドリンクは珈琲館ブレンドをチョイスします。注文時にコーヒーの提供タイミングを聞いてくれるのですが、これはホットケーキを店内で一から焼き上げるので時間がかかるため。ホットケーキとの同時提供でお願いしました。待つこと16分ほど掛かって、ホットケーキと珈琲館ブレンドのセットがサーブされました。ホットケーキにはたっぷりのバターとホイップクリーム、メープルシロップが添えられています。そのバターとホイップクリームを全量ホットケーキの上に乗せて、メープルシロップをたっぷりかけていただきます。ホットケーキは、銅板を使って焼き上げたもので、きつね色にこんがりと焼き上がっています。銅板焼きは短時間で生地の中までしっかりと火が通るので、生地の水分を飛ばすことなくふっくらしっとりと仕上がるんですね。バターとホイップクリーム、メープルシロップも贅沢に使用することで全体の味を引き立てており、さすが珈琲館のホットケーキという美味しさです。珈琲館は、コーヒーの美味しさにも定評がありますが、珈琲館ブレンドは苦みと酸味のバランスの良い飲み心地の良いブレンドコーヒーでホットケーキとの相性もバッチリです。非常にクラシックな組み合わせですが、クオリティは文句ないですね。恐らくロングリーチが目をつけたのも、コーヒーだけでなく、このホットケーキの商品価値もあればこそのような気がします。珈琲館を利用したのは、2年ほど前の神田北口店(現在は閉店)以来で、その時も今回と同様ホットケーキセットを食べたのですが、その時の記録を見ると当時は@770円でした。つまり、この間、15%強と大幅な値上げが行われたことになり、経営母体の再編と同時並行でメニュー体系の見直しも行われた模様です。それによりコスパがやや低下したのは否めず、その点は残念ですが、ブランド価値については、現時点ではまだ何とか維持できているように思いました。コーヒー専門店業界は激しい競合下にさらされており、その中で生き残っていくのは至難の業だとは思いますが、くれぐれも当店のホットケーキやコーヒーは"庶民がほっとする味である"ということは忘れて欲しくないですね。