カレーランチの後、並びにありこちらでコーヒーブレイク。普通のプロントとはちょっと違った「HASSO CAFFE with PRONTO」。博報堂とプロントがコラボした店舗で、発想を刺激するカフェがコンセプト。ゆったりと居心地の良い空間の中で様々な「ひらめき」や「アイディア」を「発想」できる空間を演出しているのだとか。確かに広々ゆったりしていて居心地は良さそうです。ホットコーヒーのレギュラー(319円)をオーダーし、受け取って店の奥へ。奥の方には神輿がディスプレイされていたりと、かなり独特の空間。そんな所に刺激を受けてって事なんでしょうね。あまり時間が無いのでゆっくりする事は出来ませんでしたが、ここでゆっくり時間を過ごすと、何かひらめきが産まれるんでしょうかね。
神保町(正確には神田錦町3丁目ですが)にテラススクエアという複合施設があります。こちらは、旧博報堂の本社や、教科書・辞典・参考書などの出版で知られる大修館書店の本社があった地区の再開発事業で誕生した地上17階建てのビルで、1階部分には、博報堂の旧本館の外観が復元されています(写真参照)。この工法は、東京駅の丸の内側や霞が関の文科省などでも見られるところで、賛否両論があるのですが、私はなかなか趣きがあって好きですね。テラススクエアは、1階と2階に飲食店やコンビニなどのテナントが入り、2階はコンパクトなフードコートを形成しており、1階には散策エリアも設けられています。飲食テナントは、なかなか渋いお店が多く、1階では、南インド・マンガロール料理のバンゲラズキッチンの3号店が営業している他、2階フードコートには、神保町界隈に根を張って複数店舗を展開している株式会社西インド会社のブランドが2店入る(羊福、メナムのほとり 神保町テラススクエア店)など、なかなかユニークなお店が集まっています。当店は、その1階にあるカフェで、博報堂DYグループとプロントのコラボカフェです。プロントは、サントリーとUCC上島珈琲が共同出資し、1988年2月1日に「株式会社ブレス」として設立されたのが嚆矢で、それを起算日とすると32年以上の歴史を刻んでいることになります。プロントの第1号直営店は東京都中央区銀座への出店でしたが、その後事務所の移転等を経て、1995年2月1日に現在の社名(株式会社プロントコーポレーション)に変更しています。2020年6月現在で全国に348店を展開しているチェーン店ということもあり、食べログレビューはしていない(大規模全国チェーン店は基本レビューしない方針のため。)のですが、希少業態である「プロント イルバール」については、大手町のOOTEMORIにある「IL BAR 大手町OOTEMORI店」そして、御茶ノ水のお茶の水ソラシティにある「プロントイルバール 御茶ノ水ソラシティ店」について利用、レビューしたことがあります。単純なプロントブランドのお店だけでなく多様な業態を展開していることがプロントの特徴ですが、当店もその中では個性溢れるお店ということになると思います。HASSO=発想というのは、いかにも博報堂らしいなという感じがするのですが、店づくりの基本に置いているコンセプトは、「発想クロッシング」ということだそうです。発想クロッシングというのは、様々な刺激が交差(クロス)し出会うことで発想が生まれるという考え方を表現し、店内には、一人ひとりの気づきを促すような装置を埋め込んであります。例えば、発想の壁 、発想の卓 、発想の窓といったものがあって、これらが日常とは異なる新しい刺激・出会いを生み出すことで生活者視点での新たな発想を引き出そうというものです。店が発想を提供するということではなく、あくまで店はきっかけ作りに徹して主役は客ということでしょうか。いずれにしてもなかなか面白いコンセプトのお店ですね。この日は、午前中神保町の書店街を散策した後、「天鴻餃子房 神保町会館店」でランチをとり、その後でこちらで購入した書籍を紐解きながら寛ごうという意図でやって来ました。当店の狙い通り、寛ぎが発想の閃きに変換されれば何よりですしね(笑)。当店は、前述の博報堂の旧本館の外観復元部分の裏側にありますが、外観としては、それほど奇抜なカフェという感じではありません。店頭のメニューを一応チェックしてから入店します。天井の高い店内は開放的な雰囲気で、客席も余裕を持って配置されている感じです。ただ、発想の・・云々の細工はほとんど見られず、普通のカフェかなというイメージですね。入って右手側に注文カウンター兼レジがあるので、窓際のスイーツコーナーからバナナとくるみのパウンドケーキ@190円+税を手に取ってカウンターへ進みます。ドリンクはホットコーヒーのミディアムサイズ@290円+税にしました。合計480円+税で528円になります。スイーツは生ケーキもあって、注文カウンターの上にメニューがありましたが、こちらだとドリンクのセット割引があり、レギュラーサイズにはなりますが、例えばニューヨークチーズケーキだと単品396円でドリンクセットは583円。ホットコーヒーの場合の割引率は18%ほどになりますので、スイーツを食べたい人にはこちらの方がお得かもしれません。注文の品は支払いと引き換えに渡されましたので、席に持ち運んでいただきます。しかし、12時前の時間帯だったとは言え、驚くほど空いており、先客は1名のみ。奥の客席は一部閉鎖されていましたので、ひょっとしたら、そう遠くないうちに土曜日も休業となる可能性がありそうですね。繰り返しになりますが、客席回りはどちらかと言うと質素な感じで、発想に結びつくようなグッズはありません。開業当初のコンセプトは少し見直しがあったのかもしれませんね。唯一の展示物風のものは奥の一角にガラス越しに展示されていた神田明神の祭礼の際に使われるであろう錦町三丁目町会の神輿と太鼓でした。これ自体は、あまり見かけることの無いもので、地域性も生かされており興味深かったのですが、別に発想を促されるものでも無いし、特にこの日持ち込んだ書籍のジャンルとは何の関係も無かったので、何も起きませんでした(笑)。バナナとくるみのパウンドケーキは、プロントのPB商品ですが、製造者は、埼玉県川口市の株式会社アヤベ洋菓子。このメーカー、以前にカフェベローチェなどでも見かけたことがありますが、昭和43年創業の焼き菓子の専門メーカーです。5か所の工場を有し、うち1か所はバウムクーヘン専用工場のようですから、なかなかのこだわりメーカーで、今回のバナナとくるみのパウンドケーキも、しっとりしてバナナとくるみの風味の組み合わせが良く、なかなか美味しいパウンドケーキでした。ホットコーヒーも苦味と酸味のバランスがとても良くて、思いの外美味しいコーヒーです。調べてみたら、プロントのコーヒーは、希少価値の高いコーヒー豆「モカ・カファ」を使用しているらしく、なるほどという感じですね。今回は"発想"の部分については、いささか期待はずれでしたが、滅茶苦茶空いていたこともあって、ゆったりとしたコーヒータイムを過ごすことが出来ました。ビジネスとして見ると色々問題がありそうですが、プロントのバリエーションの一つとして見れば、地域密着的なところに軸足を置くのもいいのかもしれません。土曜日営業が続くのかということも含めて、今後の動静は注視したいですね。
46rossi
3.50
仕事の打ち合わせで神保町へ。お洒落なカフェを見つけたので近くまで行ってみると「HASSO CAFFE with PRONT」って、プロントの系列店でした。ブリュレinバウムとホットコーヒーのセット(583円)をいただきました。バウムクーヘンの真ん中にカスタードクリームが入った、プロントオリジナルの人気スイーツ。