北海道・十勝地方の56000坪の広大な牧草地帯。ここに隈研吾氏、伊東豊雄氏といった日本を代表する建築家が実験的住居を作り、ホテルとしてオープンしたのが「メムアースホテル」です。かつてはサラブレッドの生産牧場“大樹ファーム”でした。中央競馬界に数々の名馬を送り出すほどの生産牧場でしたが、2002年移転。そして残された56,000坪の広大な敷地と牧場の機能を利用し、2011年以降順次このプロジェクトが始まったのでした。ホテルと言っても、その環境は広々とした草原、まさに原始の世界そのもの。北海道のディープな大自然を体験できます。普通の宿泊設備のイメージで訪れるとかなり驚くと思います。ホテルの部屋は計5棟。どれもが1軒家で、それぞれ設計は全く異なります。例えばMeme〈メーム〉はアイヌの伝統建築モセをモチーフにしたものです。HORIZON HOUSE〈ホライズンハウス〉は細長く切り取られた窓からの360度のパノラマが楽しめます。BARN HOUSE〈バーンハウス〉は人と馬が共に生活することを目指した建物です。どの建物も非常にユニークです。私達が泊まったのはMeme〈メーム〉です。隈研吾氏設計。90㎡。アイヌの伝統建築モセとは、まるでモンゴルのゲルみたい。それをもっと大きくした感じ。同じ素材の壁と屋根がアースカラーでとってもおしゃれ。壁や窓枠のところの布はケニアなどのサファリのテントロッジのようにペリペリと貼り付けたものを簡単にはがすこともできます。天井はサーカス小屋のように高くて白で統一されていて明るいイメージ。夜に外から見ると内部のオレンジの照明が温かみを感じる童話の家のようです。同じ素材のカーテンが一面に棚や冷蔵庫を覆い隠しているのでスッキリしたシンプルなインテリアになっています。バスルームは草原ビュー。バスタブがあり、洗い場付き。冷蔵庫にはいっている近くの牧場のヨーグルトドリンク、ジュースなどがフリー。コーヒーは豆とミル、ドロップ式の両方が用意されています。wifiは部屋ごとにOKです。滞在中カートを1台貸してくれるので敷地内の草原でカートドライブも楽しめます。夕食はホテル内のレストラン。スタジオメムにて。十勝の食材を中心にゲストの記憶に残る料理を提供します。これについてはスタジオメムをご参照ください。朝食は鮭弁当を部屋に運んでくれます。[コロボックルネスト]1回5000円の有料施設ここで面白いのがアイヌ式露天風呂であるコロボックルネスト。北海道に伝わるコロボックルの伝説にちなみ、蕗（ふき）の葉の下にある竪穴住居をイメージした小さな温浴施設です。薪を焚き、上にある露天風呂に入って大自然を感じる、環境との共生がコンセプトで九州大学の学生が設計。洞窟のような場所の小さなドアを開けて野外の湯船へ。湯船は蓮の花を広げたような作りです。お湯の温度もちょうど良くて気持ちがいいのです。このホテルに泊まるなら是非とも体験したいお風呂です。でも有料だと止める人もいるでしょう。大浴場や家族風呂などないので、サービス面を重視すれば、宿泊者には無料にすべきと思いました。

帯広近くの大樹町にあるコンセプトホテルを貸し切りました。大自然の中、デザイナーズホテルが1棟1棟が独立してて自然と一体化。夜ご飯はレストラン棟でフレンチディナー。飲み放題のドリンクをアップグレードしましたが、日本酒もワインも最高。夜ご飯後は焚き火、朝食は大自然の中にテーブルを置いて外で頂きました。雰囲気、サービス、食事、酒、コンセプト、全て満足です。